今日はケルンのLange Nacht(長い夜)、街中の美術館、博物館、遺跡、トンネル、ギャラリー、アーティストスタジオ等々が深夜3時まで開放されているというイベント。
共通チケット制(16ユーロ、トラム乗り放題付きは17.5ユーロ)で、チケット価格は安い訳ではないですが、普段は入れない様なところもあったり、それぞれのミュージアムも通常は学割が利いたとしても5〜8ユーロくらいだと思うし、会場を繋ぐツアーバスも15分おきに回っている便利さからすると、結構お得です。
これまで欧州中、色々とリサーチに回っていましたが、ケルンのミュージアム系(沢山ある)はまだ見きれてなかったので、これを期に気になっていたところをぐるり巡って来ました。


まずは、日本文化会館にて自作も含まれる上映企画311-What is to be remembered?に参加。
このプログラムはSVP2により昨年マレーシアの映画祭で上映されたもので、20名の映像作家よる311をテーマとしたオムニバスプログラム。
SVP2メンバーでケルン在住の映像作家中沢あきさんの働きかけにより、ケルンでの上映が実現。SVP2、あきさんに本当に感謝です。
上映と共に、同館で写真展も鑑賞。時間と場を隔てて、異国で改めてこの問題と向き合うことに、何とも言えない重みを感じざるを得ない。
そして、写真、映像ともにメディアとして表現者の立場からどう捉え伝えて行くかという意味で、SVP2の活動と海外でこのプログラムが上映されることに深く共感を覚えました。帰国後は、是非北海道でも上映させて頂きたいです。


かなり混んでいたのでバスを避けて、トラムで次のギャラリーへ。
これまでもギャラリー巡りは殆どしていませんが、運良く映像インスタレーションの良作を見られた。良い感じ。

散策途中にビールを振る舞う移動式バーなんかも出ています。


続いて、徒歩移動で、応用芸術美術館へ。
ラジオとか、70年代のライフスタイルにおける未来観がとても面白かった。
Joe ColomboのTotal Furnishing Unitのプレゼン映像なんかは、SF×(かける)実験映画みたいでカッコ良すぎる。


お次ぎは、普段は見られない遺跡発掘現場の見学。ガイド付き(独語)です。
ケルンのDom(大聖堂)周辺は、結構工事中の穴ボコだらけでなんですが、これはローマ時代の遺跡が街の中でいくつも見つかるからなのです。外見は普通の工事現場とあまり変わらないので景観的には、微妙なところも多いのですが、実際に発掘現場に入ってみると時間を飛び越えて不思議な感覚です。

大聖堂のライトアップはいつ、どこから見ても綺麗。






続きまして、ホームタウン・ケルンで未だ訪れていなかった歴史博物館。
Domの建築過程、2次大戦後の街の状況などケルンの歴史に触れる。
昔のKioskとか魚用の食器、ライン川の木材運搬模型等も面白い。
そして、展示室が人でみっちりしている中、歴史博物館とは何と〜も言い難いロックライブ(ミスマッチという意味で)が始まる。
でも、すんごい盛り上がり(笑)みんなこれを待っていたのか。



各会場、入り口付近では、ビール、ソーセージ、ポメス等が売っているのもお決まり。
ドイツでは、デフォルトのセットです。もちろんビールは頂いちゃいます!







便利なツアーバスに乗り込み、気になるカーニバル博物館へ。
ケルンで毎年2月に伝統的なカーニバルが開催されます。以前お迎えのイザさん宅(家具をお借りしている弁護士さん)にてそのお祭り映像を見せてもらっていて、特におじ様達の本気の仮装への意気込みに興味心身なのでした。

これまた興味深い文化です。うーん、実際に見れずに帰国が惜しい…。
その後、ライン川の地下を通るラインエナジー(電気かな?)のトンネル見学に向うも、とんでもない長蛇の列(しかも外)だったので断念。








そしてケルン名物の1つにもなっている、チョコレート博物館へ。
カカオのことや、ヨーロッパにおけるチョコレートの歴史を細かく展示しています。
ぼくは、とりわけチョコレートのパッケージ、昔の自動チョコ販売機に興味津々。
チョコとクマも昔から良いコンビネーション。

深夜にチョコの試食で、wake up!

1階のバーでは、軽快にダンスをしています。

最後は、チョコレート博物館とも近いKHMにて、学生、関連アーティスト等の写真展、ビデオアート展、シアターにてアニメーション、実験映像の作品の鑑賞。
自家現像のWSで一緒だったEvamaria(パフォーマンスアーティスト)の映像作品が非常に興味深かった。
と、この時点で、深夜2時半を過ぎる。トラムで帰宅。
充実の長い夜だったけど、結構ヘトヘト。
3時以降は幾つかの会場が、ダンスパーティ、音楽ライブと化すのだそうです…。
どの会場も本当に良く混んでいて、家族、友達、カップル、みんなで楽しんでいます。
スタッフ人達も基本的にみんな笑顔で楽しそう。
これから始まるドイツの長くて寒い夜を、なんとかクリスマスが来るまで乗り切って行こう!って景気漬けみたいな感じもあるのかな?
とにかく、大人が生活を楽しむ為に文化イベントへ参加するエネルギーには脱帽するのでした。