
月曜日にペーターのお知らせ通りラボからテストピースが届く。
このスケジュールピッタリ感は信頼出来るなぁ。
早速、KHMの暗室にてチェック。
オリジナル通りのハイコントラストがよく再現されている。というか微妙に黒が濃くエッジが効いている感じ。
やりたいことがよく伝わっている様だ。良しOK。ペーターに連絡して本焼き作業に入ってもらう。


翌日早朝にコペンハーゲンへ出発なのだけれども、今週中、KHMの一部クラスも参加している企画展があるので初日だけでも少し回ってみることに。Contemporary Fine Gamesという企画で、アートとゲームの狭間、表現と娯楽の境界線上の様なことをテーマにしたものらしい。
都合良く、今住んでいるエーレンフェルト地区のギャラリーやイベント会場等数カ所での開催なので、夜に自転車でサクッと回って来た。
オープン時間がちょっと変わっていて、会期中19〜23時と遅めの設定、毎日クラブやバーの様な所でそのままパーティに流れこむみたいなことなのかな。
その狭間が好きな若者達ががワラワラと楽しげに各会場に集まっていた。




時間がなくて全部は見て来れなかったけれど、雰囲気は大体わかった。
見た目も含めてずいぶんとアナログチックな物が多い。というか敢えてアナログな要素を取り入れているようだった。
ピコピコ系じゃなくって、真っ暗な中に、ガーガー、バチバチ、ビカビカ、とかなりアングラ系。
コンピューター制御のキッチュなティンゲーリーみたいな作品もあった。ビジュアル的にもすごくラフで抽象的。
抽象的なんだけど、例えば絵画で言うところの未来派みたいな感じがした。
そう言う見方をしてみるとちょっと面白い。
敢えてラフに仕込むのは、狭間の表現ならではで、システマチックに実用的に構成される娯楽ゲームに対する、反発だったり皮肉的な物だったりするんだろうなと思う。
見た目が抽象化されてしまうことについては、一度完成された技術(技法でもいいかな?)に対して、そこに新たな価値感を見出そうとした時に起こる、既存のもへの解体と再構築によるもの。
で、この企画の場合は、ゲームの通常は見えない部分、リアルに触れられない部分であるシステムやインタラクティブの仕組みを現実世界に持ってこようとする試みなんだなと解釈出来る。その結果、表現がかなりアグレッシブに物理的でアナログチック。
新しい何かを生じる時に発生する、敢えて組み立てられる過程を見せる様なアプローチはとても面白い。
現地点とのその前後関係を知れたり、既成概念に捕われない広がりをともなった想像ができる。
映像の場合、特に再構築的な表現の成り立ちについては、西洋美術の表現の遍歴に密接に関係があるのだけれど、
この企画の場合、今ゲームやインタラクティブアートで起こっている現象を美術史に遡って当てはめてみると、アバンギャルドって言葉がしっくるあてはまる様な気がした。
時間がなくって、サラリとしか回れなかったけど、見て来て良かった。
定まりきらないテクノロジーとアートの関係についても、色々と見たいな。
※以前の記事のリンクで、カッセル、ドクメンタのフォトレポが上手く表示されていなかったので設定し直しました。
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.339359282816017.80905.100002258443318&type=1&l=7afb321afe
コペンハーゲンレポは、もう少しだけお待ちを〜