2012年06月12日

PeterとPhilipp

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この日は、まず翌日のプレゼンに向けての試写。
きれいに整理された映写室からは、何の問題も無くバッチリと映写できた。
BOSCHの映写機は初めてで、オートローディングに少し手こずったけれど、安定感も良いし、操作もしやすかった。
デジタルの方も問題なし。
Daniel(KHMのOBでMatthiasの助手さん)に、DVDの順番やプレゼンの流れの説明と、リワインド用のリールを揃えてもらうようにお願いしてリハはOK!
この後、先週デュッセルドルフのKITで会ったメディアアーティストのMischaさんのセミナーへ参加。
オンリー独語の授業の為、言語では理解出来ず。でも各学生が、自分のプロジェクトについて、スライドでプレゼンする形式だったのでスライド鑑賞とデスカッション鑑賞。小さいルードビヒ美術館を建ててそこで企画展みたいなプロジェクトが面白そうだった。
このクラスは、実験映画のクラスの学生とはかなり雰囲気が違って、大人っぽくってなんだか皆スタイリッシュ。黒縁メガネ、スリムパンツ、カーディガン、綺麗なスニーカー、、、
因に実験映画のクラスは、国際色豊か、裾の摩れたパンツ、履き古したスニーカー、全体的にカーキかベージュかグレー、リュック、、、
分野毎のこういう住み分けみたいのってある意味グローバルスタンダード?

夜は、同業者のPeterとPhilippにお呼ばれして、Peterのアトリエへ遊びに行く。
Peterは、先週のWSのPeterとは違う、Peter Miller。彼とは2年前にオーバーハウゼンで出会って、筆談でフィルムの絵を描きながら意気投合した仲。作品の傾向が似ているし年齢も一緒。Philippは、昨年度KHMを卒業したばかりのビデオアート、パフォーマンスのアーティスト。先頃KHMの年間の最優秀賞を受賞していて、先月見に行った+new talentにも参加していた。彼の作品は、主に写真を手に取り自分自身のことについて語っているという実験ドキュメンタリー。真紀の作品ととても共通点がある。それぞれ、お互いに会うのを楽しみにしていた。作品で繋がる作家同士の出会いというのはとても嬉しい。

Peterのアトリエは、元電球の工場だったレンガ作りの大きな建物。偶然にもぼく等のフラットのすぐ近所、自転車で5分もかからない。
ケルンの中のEhrenfeldと言うこの地域は、閉鎖された工場や倉庫が沢山ある。今はそこがアトリエやデザイン関係のオフィスやショップ、ライブハウス、レストラン等になっていて、使い勝手の良いトルコ系の商店街とも合間って、多国籍で若者やアーティスト、クリエイティブ系の人が多い。もう大分慣れたけど、ぶらぶら歩くだけでも結構刺激的で面白い地域です。

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爽やかに出迎えてくれたPeterに連れられて中へ。おぉ〜、最上階にもかかわらずなかなかにアングラな様相、映像作家らしい〜、いいなぁ〜。

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部屋の中はこんな感じ、どことなくattaの右部屋にも似ている雰囲気、なんか馴染むなぁと、

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気兼ねなく、すぐにうちとける、そして2人とも超ナイスガイ!

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PeterとPhilippが2人で食事を用意してくれる。
ぼくらは、ワインと六花亭のクッキーと、スーパーで買ったスナックをお土産に。

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食事の準備の合間にPeterにレトロなローラースケートを勧められる。

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楽しいけど、ちょいと怖い、ケガはしたくないからねぇ、でもこのロケーションなら慣れたらすっごく楽しそう。

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食事はマッシュルームのリゾットとマッシュしたサツマイモのサラダ、デザートには甘いカボチャのオーブン焼き。美味しかった!

食事中もお互いにケルンに来た経緯や作品の話など、Peterはシカゴを出た後に自らチェルカッスキーにコンタクトをとってウィーンへ、その後KHMのフェローとなったそうだ。ぼくも直接マティアスにコンタクトをとってここに来ているので似た境遇だねぇとか、ベルリンにあるラボの話等を聞く、あとはぼくらのフラットと同じ通りに写真の現像屋さんがあるよなんて情報もナイス!。真紀も新作の話や日々の記録話でPhilippとも盛り上がる。

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食事の後は、お互いの作品を持ち寄ってプライベート上映会。真紀の過去作、Peterおススメの実験映画、日本から持ってきたぼく等のコレクション、Philippの新作などを見る。

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Philippの作品は、テクニカルな手法ではなく、とてもシンプルにカード状にした写真とそれを持つ手が映し出される自分史的な内容。
彼のメランコリックな語り口とマジシャンの様に器用な手捌きで写真を次から次に展開されて行く様子は、とても不思議な求心力がある。
例えがちょっと変だけど通信販売番組みたいな展開をしていくのです。リズム感も良い。世代的なこと(彼は20代半ば)を考えるとかなり硬派で渋い作品。映像メディアとの向き合い方を考えさせられる様な点も佐竹作品との共通するところかも。ライブパフォーマンスも見てみたいなぁ。
みっちり2時間程の充実した上映。時間も大分遅くなり翌日はプレゼンも控えているので、Peterとぼくのフィルムはまた次回ということになった。

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最後はお決まりの記念撮影。

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良い作家仲間ができた。


posted by ani at 22:38 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
素敵なアトリエだね〜。
甘いカボチャはバターナッツって言うんだよー。
Posted by uncoblicco at 2012年06月21日 07:03
merci!
バターナッツ、美味しかったなぁ。繊維質でちょっとシャキシャキした感じも、新食感で良かった。
アフリカ計画楽しみだね〜。アフリカ圏でも映画祭やってないか探していようかな。
Posted by ani at 2012年06月21日 08:16
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