
長い様で短いこのドイツでの滞在中には、出来る限りヨーロッパ諸国へのリサーチも行きたいという計画です。
映画祭に限らず色々なことについて。
今回は北欧第一弾ということで、スウェーデン・ストックホルムへ行ってきました。
ストックホルムには、大学の研究室の先輩エンドウさん(照明デザイナー)が住んでいるので、
久しぶりに会うのも楽しみだった。そしてすっかりお世話になりました。ありがとうごうざいます!
事前情報もあって、短い旅だったけど的を絞って見て来れた。


まずは、とにかく街の中がオシャレ、風景、建物、人、デザイン、雑貨、、、
なんかもう、日本で、あぁこれおっしゃれ〜と思っていたものが全部ある感じ。
ま、あたりまえかぁ現地に来たんだし。逆にほぼ全部ある日本ってすごいかとも思った。
こちらでドイツ人と話すと、北欧がオシャレで素敵という感覚はあまり無いみたい。
美味しい魚食べるとか自然が良いとかって話になる。

あ、たしかに揚げたニシンのオープンサンドもサーモンも美味しかった。
いつもの様に、歩いて歩いての散策。時間も限られているので、街を見る、美術館、博物館を見る。
そして、予想通りというか目的通り買い物もいっぱい出来てしまった。
近美では、ちょうどアクションペインティングの企画展をやっていて、これがなかなか面白かった。
作品の1/3ほどがビデオ用いたパフォーミングアート(ビデオアートの古典に限らず最近のものも)と言うのも良かったし、入り口を分かりやすくしつつ、絵画に留まらない(れない)美術の仕事を見せてくれる感じが、納得出来たかな。

展示の最後を締めくくるラウシェンバーグのこれが良かった。
期待のコレクションは1/3がオノヨーコ特別展示になっていて、ちょっと残念…。
あ、でも、久しぶりに見たFlyは良かったな。
その他、かなりミーハーにわかりやすく良いコレクション。そのセンスの良いコレクションの中にぽつりぽつりと、あれれ?な作品も、そう言うのは大抵スウェーデンのアーティストだった。史上のビックネームの中にローカルアーティストが入るとこんなにも異色に見える物なのかなぁ?手法や文化、地域的ににもアウトサイダーってことではないと思うんだけど、この見え方は不思議だった。善し悪しの判別はできないけれど、美術館の規模も考えると、そう言う比較を出来ちゃうくらいの定番作品を揃えられるリッチなコレクションが羨ましいなぁと思った。
動くティンゲリー、良かった。
映像作品の展示では、Gunvor Nelsonがあって驚いたんだけど、彼女スウェーデン出身でした。
てっきり、西海岸の作家と思っていたけれど、なるほど年代的に他作家と比較すると、あのちょっと小洒落た感じがしてたのはそういうことだったのかぁ。そしてやっぱり好きな作家。Take Offが最高!

民間の新しい美術館にも行ってみました。
コンテンポラリーアートの企画展をメインとする、Bonnierskonsthall。ここは写真撮影NG。でも美術学生ならば学生があれば無料。スウェーデンの女性彫刻家Klara Kristalovaの企画展。チェコで美術教育を受けた後、ストックホルム近郊を拠点に活動をしているそうだ。初めて見たけどかなり良かった。北欧のネガティブ、メランコリックとチェコのコワカワとのミックス具合が絶妙だった。


北方民族博物館では、生活文化の歴史を堪能。特に面白かったのは、テキスタイルの閲覧棚と食卓の歴史。
街を歩いていても、雑貨屋やアンティークショップがひたすらに多くて、更にアフリカンなものやトルキッシュなものをリデザインした様なものをよく見かけていて、それがカッコいいんだけど、どうしてかな?って思っていた。
博物館で生活雑貨の遍歴を見ていて少し分かった気がするのは、元々そんなにデザイン的に優れているって訳ではなく、色も形もぼんやりしていてどちらかというと野暮ったい感じなんだけど、唐突にエキゾチックな要素が出て来たり、その扱い方が結構良かったり…、で、現代に近づくと、あら北欧デザイン素敵!みたいな流れ。
北国の暗くて憂鬱な環境に、異色の文化要素をビジュアル的に取り入れるのが上手いんだなぁと。そう言うことが現代の街の中にも上手くとけ込んでいるんだなぁと思った。日本人(あるいは北海道人特定かもしれない)が憧れる要因ってそう言うところなんじゃないだろうか。
で、それを美術の分野に置き換えてみると、近美で見た真っ当なローカル美術よりもBonnierskonsthallで見たKlara Kristalovaの方が圧倒的に面白いし魅力的。魅き付けられる要因は「異文化ミックス」なんだなと。
そうすると地元の人にも外から来た人にも色んな方面で広がりがある様な気がした。
その他、事前情報で頂いていた、美術大学コンストファックは夏休み中、楽しみにしていた洞窟みたいなの地下鉄駅も丁度工事中で閉鎖、デザイン博物館も日曜日時間制限かやってなくて微妙にハズレもあってちょっと残念だったけど、また今度。

レポはざっくりだけど、今回も盛りだくさんに詰め込んでこれました。北欧入門編、ハイセンスな異文化ミックスの街ストックホルム。良いリサーチになりました。
次はデンマーク、フィンランド、ノルウェーと北欧制覇を狙っていますが、どこまでいけるかな?
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