すっかり報告が遅れてしまいました、、
オーバーハウゼン最終日です。
もう帰ってきて一ヶ月以上も過ぎたんだなぁ、、

5/4(日)映画祭最終日。朝はまず、キンダープログラムを鑑賞。
毎日10:30から子供(小中学生くらい)向けの上映が組まれています。
午前中は開場前に小さな子供達がワイワイはしゃいでいてカワイイ。
キンダーと言えど上映しているのは単に子供番組みたいなのだけではなく、
ぼくらが見たのは結構つっこんだヒューマンドラマ。なかなか面白かった。





オーバーハウゼンの街を見るのも最後ということで、まだ試していなかった
魚料理にトライしてみます。
屋台でもお惣菜でも、ソーセージ屋さんにならんで、魚のおかずがかなり見受けられたのでとても気になっていたのです。なかざわさんお勧めのニシンの酢漬けの様なものを食べました。これがまた本当に美味しい!今回のドイツの旅で一番のお気に入りです。他にも店に並ぶ美味しそうな魚を物色しつつ、何より魚好きのぼくとしては、ここなら住めるなぁ…なんて思ってしまったり(笑)

その後は、日本出品作家金(キム)さんの作品が含まれるインターナショナルコンペ最後の上映へ。金さんは、現在京都造形芸大の大学院で伊藤高志さんの研究室に在席する韓国人留学生。
ぼくは、昨年のIFFで作品はご一緒したものの直接お話しするのはこのオーバーハウゼンが初めて。それと佐竹は最も影響を受けた映像作家が伊藤高志さんということで、また何かしらご縁を感じる出会いでと交流ができました。
金さんの作品は、8mmフィルムで撮影した映像をデジタルに変換して編集するという制作プロセス。金さんはオリジナルのフィルムにハサミを入れたことが無いと言う。フィルムは切ってしまうと元に戻らないから絶対に切れないとのこと。ある面で、フィルムを物質的な映像メディアとして捉えている作家の視点が伺えた。
そしてぼくとは全く正反対の考え方です。ぼくは切れてしまうことにフィルムの面白さを見出しているタイプなので、極端に言うと自分の作品で切ったことの無いフィルムなんて無いんです。物理的に切ったり貼ったり重ねたりねじったりして生まれるイメージみたいな所に興味がある。
ここ最近、映像分野の方々とお話をしていて思うのは、果たして自分は映像作家なのかなぁ…?ということ。スクリーン映し出されるイメージよりもやっぱり物としてのフィルム自体が面白いし興味がある。それは映画のフィルムに限らずで、写真のフィルムもあとはインスタント写真とか。映像の物質性とか素材感を作品で何とか可視化して行きたいのだけれど、最近はそのことについてよくよく色々考えるのです。むーん。

金さんの上映&トーク後、最近親しくなった「きむくん」と駅で待ち合わせ。
きむくんは元ホグロフス(池内店)の店員で、この4月からマインツの近くの街のワイナリーで修行の為に渡独してきた。ドイツに来て丁度3週間でホームシックにかかっていたらしい。お土産のカップラーメン、煎餅、羊羹を本当に喜んでいた。ガンバって!

19:00からの閉会式・授賞式まで時間があるので、まちぐちさん、金さんと一緒に会場近くのレストランでディナー。ようやく念願のシュパーゲルを食べました。まちぐちさんはドイツ在住のオーガナイザー。今はマインツで上映企画などに携わっていらっしゃる。滞在中は色々と良いお話も聞けて、大変お世話になりました。ディナーもご馳走になってしまいました。恐縮です。シュパーゲル大きいし味もしっかりしていて、北海道の甘いアスパラとはまた違う味わい。食べごたえがあります。更に付け合わせのハムもどっさりで美味しかった。ごちそうさまでした!


いよいよ最後のイベント閉会式・授賞式。
司会者はユーモアたっぷりで、常に会場をを湧かせています。
全部ドイツ語なので分からないけど雰囲気は楽しい。
まずは、全スタッフをステージへ集めて映画祭での働きを讃える。
会場からも大きな拍手でとてもあたたかい雰囲気。
スタッフの人達には、毎日色んな場面で助けられた。
本当に皆親切で、困っていることやこちらの要望に100%以上の対応をしてくれます。映画祭に限らずこんなイベントは初めてと言っても大袈裟でない程。
そう言った面での、映画祭としてのスタッフワークや仕組みについてもとても勉強になりました。
写真真ん中あたりの素敵な笑顔の子が今回ホームステイや会場でも沢山お世話になったエバ(実物は超カワイイ!)。本当にありがとう!!!

表彰は先ず、キンダープログラムから。審査員は子供達。
可愛らしい審査員が順に賞を発表して行きます。

そして、インターナショナルコンペティションの賞の発表へ。
大山慶さんの「Hand Soap」が国際短編映画祭賞を受賞した。
この賞は、インターナショナルコンペの選考委員が最も優れた作品を讃える特別な賞。日本人作家が受賞したことはとても嬉しいし、やはり獲ったか大山さんと納得。本当におめでとうございます!!!


閉幕後は、いつものフェスティバルカフェで、最後のパーティー。
当たり前だけど一番の人の入りで話も盛り上がりました。最初日本人作家で集まっていたけど、徐々に色んな国の作家やスタッフも集まって、ぼくはノートパソコンも持って行ってたのでプレビューしたりと色々と交流も出来た。
とても楽しく、とても名残惜しい夜でした。




今回、このオーバーハウゼン国際短編映画祭では、とても良い経験が出来たし、面白い作品にも出会えた。それと今までの自分の作家活動を振り返る良い機会ににもなったし、作品を通して自然と生まれていた人や作品との繋がりも感じることができた。そう言った環境を他国の人が何のストレスもなく楽しむことができるオーバーハウゼンの映画祭としての質の高さにも本当に感動した。
他にも色んな映画祭に行ってみたいけれど、ここには是非出品作家としてまた戻って来たいと思った。頑張ろう!

ということで初ドイツ、アートも映画も人も街も色々と文句無しに良い旅なのでした!!!